rounddの日誌

rounddが何となく考えたことを形にするために文章にしたものをためておく場所。他人というより自分向け

Newtonの水桶(別解)

 以前『演習詳解 力学』の輪読wikiに「Newtonの水桶」という問題の資料を更新しました。今日はこれの別解を紹介しようと思います。

ja.rindoku.wikia.com

 さて、上のリンクの解説では流体の体積要素を切り出して、そこの力のつり合いを考えました。それとあまり変わらない気もしますが、ここでは特に液面上の体積要素について考えてみましょう。この体積要素にかかる力は、回転する座標系では遠心力と重力と液面からの垂直抗力です。この3つが釣り合っていることを利用して力のつり合いが書けるはずです。

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ただし、θは液面の接線と容器の底がなす角になっています。つまりdz/dρ=tanθになるということです。以上の条件からθとfを消去すると

dz/dρ=Ω^2/g ρ

という微分方程式が出てきます。これを解くと同じ結果が出ます。

 さて、唯一気になる点があるとすれば、液面から受ける力を垂直抗力だと決めつけている点でしょう。直感的に考えると正しい仮定な気がします。しかし、流体の粘性まで考慮するとどうなのでしょうか?

 実は、粘性があっても結果は変わらないと考えられます。なぜかというと、粘性は流体にせん断応力が作用するときに始めて効いてくるものだからです。粘性が大きいと釣り合い状態に行くまでに時間と労力をかける必要があるかもしれませんが、一度釣り合い状態になったら粘性は効いてこないからです。

 流体力学の板書を見て考えているときに気付いたのですが、この問題は、流体が非圧縮性流体であるということを明記せずに使っていますね。まぁ、そんなことわざわざする必要もないのかもしれませんが。